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6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)

2025.6.30

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

2025年6月27日午後3時、最高裁判所第三小法廷(宇賀克也裁判長)は、大阪と愛知の保護利用者が、大阪市や名古屋市ほか自治体を被告として提訴した件につき、生活保護基準引き下げ処分を違法として取り消す原告勝訴判決を言い渡しました。

生活保護基準の改定を違法とした最高裁判決は史上初であり、歴史に残る画期的な判断です。

判決前のようす

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

最高裁正門前には12時過ぎからメディア関係者を含む多くの人々が集まり、宣伝行動が行われました。傍聴券の抽選に並んだ人だけで334人に上りました。

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

13時30分、正門前で「入廷行動」が行われました。

判決言い渡し

15時、最高裁判所第三小法廷で宇賀克也裁判長が判決を言い渡しました。

本判決は、本件引下げによる削減額の9割近くを占める「デフレ調整」の違法性を明確に認め、生活扶助基準引き下げ処分の取消しを命じるという前代未聞の画期的判断でした。判決には林道晴裁判官の補足意見と宇賀克也裁判官の詳細な反対意見があります。

多数意見は、ゆがみ調整の2分の1処理の違法性や国家賠償請求は認めませんでしたが、宇賀克也裁判長は、いずれをも認める詳細で説得力のある反対意見を展開しています。宇賀裁判長は、国家賠償請求を認めるにあたり、「本件改定は、違法であり少なくとも過失も認められる」として「故意」の違法行為であることを示唆した上で、原告らが「『最低限度の生活の需要を満たす』ことができない状態を9年以上にわたり強いられてきたとすれば、財産的損害が賠償されれば足りるから精神的損害は慰謝する必要はないとはいえ」ないと本件改定の問題性を厳しく指摘しています。

本判決をふまえた被害の回復策や再発防止策を検討するにあたっては、元東京大学教授で行政法の第一人者である宇賀克也裁判長の反対意見の趣旨も十分にふまえた対応が求められています。

いのちのとりで裁判全国アクション大阪訴訟・判決全文

いのちのとりで裁判全国アクション愛知訴訟・判決全文

本判決の読み方の詳細については、「いのちのとりで裁判・最高裁第三小法廷判決の読み方~被害回復策の策定や今後の基準改定に活かすために~」をご参照ください。

また現時点までに言い渡された判決一覧と勝訴判決の論点ごとの判断は次のとおりです。

判決一覧・勝訴判決論点表(2025・6・30時点)(PDF)

歓喜の「旗出し」

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

判決後、当事者席と特別傍聴席のメンバーが正門から出てくるのを正門前で待つ人たちが歓声と拍手で出迎えました。

全員が揃って旗出しができるよう、足の不自由な原告の小寺アイ子さんと脇山美春弁護士が手をつないで出てくるのを皆で待ちました。

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

全員が揃ったところで、皆で「旗出し」をしました。

全国31の訴訟の連帯と団結の象徴として、バトンのように全国をリレーしてきた3つの「旗出しセット」が最高裁前に集結し、いっせいに掲げられました。

原告の小寺さんが掲げている「だまってへんで これからも」という旗は、亡くなった大阪訴訟原告共同代表の堰立夫(せき・たつお)さんが考えた言葉です。

この裁判では全国で1027人の原告が立ち上がりましたが、2割以上の232人が最高裁判決を聞くことなく亡くなっており、高齢者、障がい・傷病者が多い原告にとって、どれだけ厳しい闘いだったかを物語っています。

判決後の報告集会

判決後、参議院議員会館にて報告集会が開かれました。会場は、勝った喜びで熱気あふれていました。集会には会場に350人、オンラインでは352か所からの参加がありました。新聞・テレビ局等のメディアが多数取材に来られ、会場には熱気があふれました。

愛知訴訟原告、千代盛学さんは、「最高裁に来るまで勝負は半々と思っていた。法廷で判決を聞いていて、最初は負けたと思った。地獄を見たと思った。ところが弁護士が握手をしてきたので、これは勝ったんだなと思った。今日は一日で地獄と天国を見ました。感無量です。国に言いたいのは、今後こういう裁判をしないですむようにしてほしいということです」と話しました。

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

続いて大阪訴訟原告の小寺アイ子さんは、「勝ったと知って足がガクガク、めまいがして立てなくなったです。弁護士の先生方、地域の人のお力だと思っています。これからが大変と思いますが、ありがとうございました。」と語りました。

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その後、大阪訴訟原告の山内一茂さん、愛知訴訟原告の澤村彰さんからも勝った喜びと感謝の言葉がのべられ、会場は拍手で包まれました。

判決検討を終えた弁護団が集会に合流し、小久保哲郎弁護士が、原告団、弁護団、全国アクション等関係団体が共同で公表した「最高裁判決を高く評価し、判決を踏まえた早期全面解決を求める声明」を読み上げました。

いのちのとりで裁判全国アクション原告団・弁護団声明

続いて伊藤建(いとう・たてる)弁護士から、大阪訴訟判決、愛知訴訟判決の共通する判断と特徴について、わかりやすく説明が行われました。この集会は記者会見を兼ねており、記者から熱心な質問がなげかけられました。

最高裁判決を迎えるにあたり、全国会議員に「生活保護基準引下げ問題の早期全面解決を求めるアピール」への賛同を求めたところ、短期間で次の43名の国会議員の方々が賛同とメッセージを寄せてくださいました。

(2025年6月27日時点、到着順)
篠田 奈保子(衆議院議員・立憲民主党)、井上 哲士(参議院議員・日本共産党)、川原田 英世(衆議院議員・立憲民主党)、髙良 鉄美(参議院議員・沖縄の風)、辰巳 孝太郎(衆議院議員・日本共産党)、福島 みずほ(参議院議員・社会民主党)、藤原 規眞(衆議院議員・立憲民主党)、本村 伸子(衆議院議員・日本共産党)、浅野 哲(衆議院議員・国民民主党)、逢坂 誠二(衆議院議員・立憲民主党)、大椿 ゆう子(参議院議員・社会民主党)、神谷 裕(衆議院議員・立憲民主党)、木村 英子(参議院議員・れいわ新選組)、櫛渕 万里(衆議院議員・れいわ新選組)、佐々木 ナオミ(衆議院議員・立憲民主党)、仁比 聡平(参議院議員・日本共産党)、芳賀 道也(参議院議員・国民民主党)、やはた 愛(衆議院議員・れいわ新選組)、早稲田 ゆき(衆議院議員・立憲民主党)、池田 真紀(衆議院議員・立憲民主党)、黒岩 たかひろ(衆議院議員・立憲民主党)、柴田 かつゆき(衆議院議員・立憲民主党)、馬淵 澄夫(衆議院議員・立憲民主党)、阿部 知子(衆議院議員・立憲民主党)、高木 真理(参議院議員・立憲民主党)、天畠 大輔(参議院議員・れいわ新選組)、倉林 明子(参議院議員・日本共産党)、西川 厚志(衆議院議員・立憲民主党)、塩川 鉄也(衆議院議員・日本共産党)、福田 玄(衆議院議員・国民民主党)、鎌田 さゆり(衆議院議員・立憲民主党)、田村 貴昭(衆議院議員・日本共産党)、野田 国義(参議院議員・立憲民主党)、白石 洋一(衆議院議員・立憲民主党)、伊藤 岳(参議院議員・日本共産党)、小池 晃(参議院議員)日本共産党)、ながえ 孝子(参議院議員・無所属)、山下 芳生(参議院議員・日本共産党)、伊波 洋一(参議院議員・沖縄の風)、大河原 まさこ(衆議院議員・立憲民主党)、山添 拓(参議院議員・日本共産党)、田村 智子(衆議院議員・日本共産党)、吉良 よし子(参議院議員・日本共産党)

早期全面解決を求めるアピールと賛同議員一覧(PDF)
賛同メッセージ一覧(PDF)

また、最高裁に宛てた署名の総数は、16万9025筆に達し、この裁判が始まってから集まった関連する署名の総数は33万筆を超えました。多くの方の御協力に心から感謝いたします。

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

閉会のあいさつは、いのちのとりで裁判全国アクション共同代表の尾藤廣喜弁護士が行い、今後の運動の展望を話しました。

これからも運動は続くとし、①被害の回復、すべての生活保護利用者に対する真摯な謝罪、②減額差額分の支給、③再発防止のための検証委員会設置、④保護基準の決め方の適正化、⑤夏季加算創設、物価高に合わせた保護費支給、⑥日弁連が提起している生活保障法の制定などの実現に取り組んでいこうと訴えました。

なお、集会に参加した方々のアンケートでは、長い闘いを経て最高裁がその職責を果たしてくれたことへの喜びの声や、判決を受けた生活保護制度のあり方に対する意見が多数寄せられました。

報告集会に参加された皆さんの声(PDF)

初の厚生労働省交渉

6月27日、最高裁判所第三小法廷で歴史的勝訴判決!(判決全文、声明、要請書なども掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

集会後、両訴訟の原告や弁護団、全国アクションらは、福岡資麿厚労大臣あてに、判決をふまえ早期全面解決を求める要請書を提出しました。尾藤弁護士が集会の最後に列挙した要望を読み上げ、厚労省の保護課の課長補佐に手渡し、週明けの6月30日にも予定されている交渉の場で回答するように求めました。

要請書(PDF)

各種報道

生活保護基準額引き下げは「違法」 最高裁が初の判断、国家賠償は認めず | 生活ニュースコモンズ

「だまってへんで、これからも」――生活保護引き下げの違法性認める最高裁勝訴から問われる「今後」 - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)

“政治介入”による「生活保護引き下げ」“違法”を訴えた裁判で最高裁が“原告勝訴”判決 「司法は生きていた」と語った弁護士たちの10年の戦い | 弁護士JPニュース

諸団体の声明(発出順)

日本弁護士連合会:生活扶助基準引下げを違法とした最高裁判所判決を高く評価し、生活保護利用者及び元利用者への補償と生活保障法の制定を求める会長声明

大阪弁護士会 : 会長声明等 : 生活保護基準引下げを違法とした最高裁判所判決を画期的なものとして高く評価し、生活保護利用者及び元利用者への補償と生活保障法の制定を求める会長声明

「いのちのとりで裁判」の最高裁判決による原告側の勝訴確定をうけて(談話) | 労働者福祉中央協議会(中央労福協)

全生連声明(PDF)

生活保護基準引下げをめぐる最高裁判所令和7年6月27日判決に関する会長声明|会長声明集|日本司法書士会連合会

【声明2025.06.30】「いのちのとりで」裁判原告勝利の最高裁判決を高く評価し、国に対し、すべての原告への謝罪と早急な全面的救済を求める - 全日本民医連

生活保護基準引下げを違法とした画期的な最高裁判所判決を高く評価し、生活保護利用者への補償と生活保障法の制定を求める会長声明 - 意見・声明 - 愛知県弁護士会

大阪精神保健福祉士協会声明(PDF)

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