単純明解にそういうことです。だから、生活扶助相当CPIの計算がおかしいとアピールするためには、物価指数の計算の基本や厚労省の計算方法の問題点をしっかり学んで、分かりやすく説明していかねばなりません。
計算方式の違いで計算結果が大違いになったことを示したのが次のグラフです。
(2)の線は、2008年~2010年について厚労省が実質的なパーシェ方式で計算した結果です。生活扶助相当CPIは104.5→100なので、約4.3%の下落率です。
その2年間について、通常のラスパイレス方式で計算してみた結果が(1)の線です。101.8→100なので、下落率は約1.8%です。
2010年~2011年については、厚労省も通常のラスパイレス方式で計算しました。その計算を示したのが(3)の線。100→99.5なので0.5%の下落です。
厚労省の計算は、(2)の線と(3)の線の組み合わせ。3年間を通してみると生活扶助相当CPIは104.5→99.5なので4.78%の下落。
一方、この3年間を通常の方式で計算すると、(1)の線と(3)の線の組み合わせ。生活扶助相当CPIは、101.8→99.5なので2.26%の下落です。
この3年間のCPI総合指数の下落率は2.35%でした。似た水準になるのは自然です。
(1)、(2)、(3)の線の計算は、いずれもCPI統計に出ている各品目の支出額割合(ウエイト)を使っています。家計調査にもとづいているので、一般世帯平均の数字です。
生活保護世帯の平均的な支出額割合を示す数字は、厚労省が実施している社会保障生計調査で把握できます。(4)の線は、2008年の社会保障生計調査をもとに通常のラスパイレス方式で計算してみた数字です。3年間の下落率は0.64%。
情報開示されている数字が不十分なので、おおまかな試算ですが、これが「真実の下落率」に一番近いでしょう。