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Q22 その謎の倍率の正体は何ですか?

不思議な数字です。基準時点~比較時点で「購入数量が何倍に増えたか」の倍率なのです。物価指数の計算では、ラスパイレス方式のときは基準時点の数量、パーシェ方式のときは比較時点の数量を使います。

だから、謎の数字は「ラスパイレス方式からパーシェ方式に切り替えたら、その品目の影響度がほぼ何倍になるか」の倍率でもあります。

ただ、日本の消費者物価指数の計算では現実には数量は使っていません。生活扶助相当CPIの計算でも同じ。それなのに、「隠れている計算上の数量が何倍に増えたか」の計算はできるのです。

物価指数買い物かごの各品目の代金の計算で「単価×数量=代金」という関係が成り立っているからです。この謎の倍率は下の式ですっきり計算できます。

いのちのとりで裁判全国アクション

文章で書くと、基準時点~比較時点で「価格指数が何倍になったかの倍率の逆数」に「支出額割合が何倍になったかの倍率」を掛ける計算です。

例によってモデルで確かめます。ある品目について「支出額割合は基準時点1%、比較時点2%、価格指数は基準時点100、比較時点25」と仮定します。この計算式に当てはめると、前の分母分子の部分は「100/25」で4、後の分母分子の部分は「2%/1%」で2。謎の倍率は「4×2」で8倍です。

100万円ベースの買い物かごだと、基準時点の代金は100万円の1%で1万円、比較時点の代金は100万円の2%で2万円です。基準時点の購入数量は不明ですが、「基準時点に購入した数量の分を1つの箱に詰めた」とします。1箱の代金は基準時点では1万円。基準時点~比較時点で価格指数が4分の1になったので、比較時点では2,500円となります。

そして、比較時点に購入数量が8倍に増えたので、比較時点には8箱買ったことになります。比較時点の合計代金は「2,500円×8箱」で2万円。下の一番左の図で確かめてください。

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ラスパイレス方式では「基準時点の購入数量の1箱が比較時点にも変わらない」として計算するので、合計代金は基準時点1万円→比較時点2,500円という推移になります。

パーシェ方式では「基準時点の購入数量は比較時点の購入数量の8箱と同じ」として計算。合計代金の変化は、8万円→2万円です。上の右2つの図で確認してください。

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