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q11 買い物かごを変えても支障はないの?

総務省統計局の消費者物価指数(CPI)の計算ルールでは、5年ごとに買い物かごが変わります。心配になるのは連続性です。

2006年~2010年は、計算の結果出てくるCPIは2005年=100の2005年基準の数字ですが、2011年~2015年のCPIは2010年=100の2010年基準の数字です。すると、例えば、2008年のCPIは2005年=100の数字であり、2011年のCPIは2010年=100の数字なので、直接には比べられません。

この問題を解決するのが「接続」という手法です。CPI統計の全品目が対象のCPI総合指数の現実の動きをもとに考えてみましょう。

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2006年~2010年のCPI総合指数は、2005年=100の数字として出ます。表のアの段の数字です。100→100.3→100.3→101.7→100.3→99.6という推移です。

2011年以降は2010年=100のCPI総合指数になります。それがイの段。100→99.7→99.7という数字です。グラフの通り、2005年=100のアの段の青い線と2010年=100のイの薄緑の線はずれています。アの線上にある2005年=100の2008年のCPI総合指数の101.7と、イの線上にある2010年=100の2011年の総合指数の99.7は直接には比べられません。

100→100.3→100.3→101.7→100.3→99.6の変化率を維持したままで最後の2010年の数字を100にすれば問題は解決します。99.6を100にするには、99.6分の100を掛けます。アの段の数字のすべてに99.6分の100(ほぼ1.004)を掛ければ、ウの段の100.4→100.7→100.7→102.1→100.7→100になるのです。グラフで見る通り、ウの線はイの線に見事に接続しました。

これで、ウの線の2008年の102.1とイの線の2011年の99.7を比べられる。2.35%の下落率になります。接続という手法は、こういう具合の簡単なものです。

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