総務省統計局が毎月下旬に前の月の消費者物価指数を計算して公表しています。買い物かごのイメージの計算です。
基準時点は「西暦の5で割り切れる年」と年単位にしているため、「基準年」と呼んでいます。基準年は2000年、2005年、2010年、2015年…という具合です。2006年~2010年は2005年を基準年に、2011年~2015年は2010年を基準年に、2016年~2020年は2015年を基準年にして計算します。
買い物かごには、全部で600近い品目を入れます。そして、5年ごとの基準改定のときに、品目を入れ替えます。あまり買われなくなった品目は、計算対象から外し、買う人が増えてきた品目を計算対象にするわけです。2005年基準の買い物かごから2010年基準の買い物かごに変えるイメージは、図にするとこんな感じです。
各品目の支出額割合(ウエイト)も5年ごとの基準改定のときに見直します。支出額割合は、CPI統計の対象品目のすべての合計を1万と設定します。例えば、2010年基準の支出額割合は、国産米A=30、国産米B=42、もち米=4、食パン=23などとなっています。対象品目のすべてで計算するCPI総合指数の場合は、支出額全体の中の国産米Aの割合は1万分の30であるわけです。
物価指数の計算で使う各品目の価格変化率は「価格指数」のデータを使います。統計局が計算で使う価格指数は、基準時点~比較時点で価格が何倍になったかの倍率を100倍した数字です。
2006年~2010年の間は、基準時点(基準年)は2005年なので、2005年を100とした2005年基準の価格指数を使います。ある品目の2005年基準の2008年の価格指数が130であることは、2008年の価格が2005年の価格の1.3倍だったことを意味します。
消費者物価指数の計算は、例えば2008年の答えを出すときは、基準年である2005年の買い物かごの合計代金と比較時点である2008年の買い物かごの合計代金を比べる要領です。各品目の代金は、2005年のかごでは「支出額割合×100」の数字、2008年のかごでは「支出額割合×2005年基準の2008年の価格指数」となります。