2026.1.27

私たち(いのちのとりで裁判全国アクション)は、今般の衆議院総選挙にあたり、国政主要政党に対し、生活保護基準に関する質問を行いました。
質問は、1月23日(金)に自由民主党、中道改革連合、国民民主党、日本維新の会、参政党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、チームみらいの8党に対し、Eメール、ファックス又はホームページの問合せ先にフォーム入力する方法で行いました。
回答期限を同月26日(月)夕刻という極めて短い期間に設定したにもかかわらず、自由民主党、中道改革連合、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党の6党から期限までに回答をいただくことができました。
※2028.1.28追記
同月28日夜、自由民主党からは追加の回答をいただきました。
この場を借りまして、ご協力いただいた各党関係者の皆さまに感謝申し上げるとともに、来る選挙において有権者の皆さまの判断材料としていただきたく、回答内容を公表させていただきます。なお、回答内容の記載順は回答の到着順です。
〇=私たちと同意見 ✕=私たちと反対意見 △=その他
| 国民 | 共産 | 自民 | れいわ | 社民 | 中道 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 質問1 | △ | 〇 | ✕ | 〇 | 〇 | △ |
| 質問2 | △ | 〇 | △ | 〇 | 〇 | △ |
【国民民主党】
回答-③その他
2013年から2015年の生活保護費の引き下げを違法とした最高裁判決を巡り、高市首相が「違法と判断されたことについては深く反省しおわびを申し上げます」と述べましたが、政府として最高裁判決を真摯に受け止めて対応することが必要です。
さらに、判断の過程及び手続に過誤・欠落があったと判示されたことからも、今後の改定においては手続面において特に留意して行うべきです。
【日本共産党】
回答-②国の対応策は撤回されるべきである。
最高裁の統一判断は、厚生労働省が用いた指標や手続きに過誤・欠落があったことを違法と認定し、引き下げ処分そのものの取り消しを言い渡したものです。
ところが、政府・厚労省は、判決を受けた「対応策」として、「ゆがみ調整」を維持して被害の全額補償を拒んだうえに、「再減額」の名で補償額をさらに値切り、原告と原告以外の被害者の扱いに格差をつけるなど、幾重にも不当かつ厚顔無恥な措置をとりました。まさに、敗訴した国による「紛争の蒸し返し」です。
日本共産党は、政府に対し、最高裁の判断に従って、原告たちへの謝罪と被害の全額補償を行うことを求めています。「再減額」決定を撤回し、すべての被害者に「ゆがみ調整」の分も含めた全面的な被害回復を行うべきです。原告を含む当事者参加の検証機関をつくり、違法行為が行われた経緯・理由の徹底検証と、再発防止策をとることも必要です。
【自由民主党】
初回回答-本質問に対する回答はなし
2回目回答-①国の対応策を支持する
今般の対応策は、厚生労働省の専門委員会の報告書等を踏まえ決定したものと承知しています。追加給付の対象となる方に丁寧に説明し、早期に支給できるよう取り組んでいくことが重要であると考えます。
【れいわ新選組】
回答-②国の対応策は撤回されるべきである。
国は「デフレ調整」について専門家に再検討させて、改めて低所得者の消費との比較をした結果、2.49%の再減額を含む対応策を公表しました。これは、判決の趣旨を軽視し、計算方法の問題にすり替えて減額ありきの方針を押し切ろうとするものであり、容認できません。さらに、減額された保護費の補償について、再減額の2.49%については、原告のみに「特別給付金(贈与金)」として補填するという他の生活保護利用者との分断を図っています。
れいわ新選組は、2013 年からの不当な生活扶助基準引き下げで長年にわたり、生活保護利用者の生活と尊厳を傷つけてきたことに対して、直接面談し謝罪する機会をもうけること、当時の生活保護利用者全員に対して、引き下げ額の全額補償を要求しています。
【社会民主党】
回答-②国の対応策は撤回されるべきである。
社民党は、物価高騰や賃金停滞が続く中で、国民生活の立て直しを最重要課題に掲げています。消費税率ゼロによる強力な物価高対策や、社会保障の拡充、最低賃金の引き上げなどを通じて、暮らしの基盤を強化することを目指しています。
こうした立場からすれば、生活保護基準の引き下げや実質的な再減額は、社会保障制度の役割である「健康で文化的な最低限度の生活」の保障を損なうものです。基準が引き下げられれば、社民党が掲げる政策の効果を打ち消し、低所得者の生活保障や生活の再建に逆行することになります。
生活保護基準の引き下げに対して最高裁が違法判決を下したことは、基準引き下げが制度本来の趣旨に反していたことを示しています。したがって、事実上の再減額を含む現行の対応は撤回されるべきであり、基準の再検討と是正が必要です。
また、原告にのみ特別給付金を支給し、他の受給者との間に差を生じさせる対応は、制度の公平性や普遍性という社会保障の基本原則に反します。社民党が掲げる「利用しやすい制度の構築」の観点からも、すべての生活保護利用者に対する公平な対応が求められます。
生活保護基準は、「健康で文化的な最低限度の生活」を具体化する制度の中核です。その引き下げは単なる財政措置ではなく、憲法25条に関わる重大な人権問題です。違法とされた引き下げによって奪われた分については、全受給者に対して差額を含めた補償を行うことこそが、立憲主義に立脚した国家の責務です。
以上から社民党は、デフレ調整に代わる再減額の維持や、原告に限った特別給付金といった措置ではなく、生活保護基準の引き下げ分を含めた実質的な補償と基準の適正化を行うべきであると考えます。それによって、誰もが安心して暮らせる社会保障の基盤を再構築することが可能になると考えます。
【中道改革連合】
回答-③その他
2025年6月27日の最高裁判決は、デフレ調整部分に判断過程・手続き上の過誤があったとして違法と判断したものであり、政府は専門委員会の審議を経て新たな対応策を取りまとめました。
生活保護法第8条第2項を踏まえてゆがみ調整を維持すること、一般低所得世帯の消費水準との均衡を図る観点から、客観的データに基づく再調整(▲2.49%)を行うことは合理性があると考えられていますが、重大な問題があるとのご指摘を頂いています。
最高裁判決によって国家賠償請求は認められなかったものの、原告の方々については処分取消しの効果を尊重し、迅速かつ適切な権利回復を図るため、減額分を特別給付金により全額補填することとされました。訴訟継続によるご負担や経緯を踏まえ原告の方への特別な配慮と迅速な対応をすることが重要である一方、原告と原告以外の被保護者の間に分断を生むことのない制度設計も不可欠です。
【国民民主党】
回答-③その他
生活コストを安くするために、ガス、水道、灯油、重油、航空機燃料等を通年値下げするとともに、電気代を値下げ(再エネ賦課金(2万円程度/年)を廃止)します。
また、貧困が命に関わる危険な状態を招く事例も少なくありません。生活保護受給資格の要件を分かりやすく提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず、給付を受けない事態が放置されないように対応します。
【日本共産党】
回答-②大幅な生活扶助基準の引き上げが必要である。
ご指摘のとおり、政府が「物価高騰対策」としている生活保護基準の特別加算は、上乗せ額が1,500円と少なく、据え置き世帯もあるなど、まともな対策とはなっておらず、食費や光熱費の急騰による保護世帯の窮乏は深刻です。保護を利用するすべての世帯に、物価高騰に見あう水準の保護基準引上げを行うべきです。
生活保護基準をめぐっては、最高裁により断罪された削減以外にも、生活扶助費、期末一時扶助、住宅扶助、各種加算などの引下げが繰り返されてきました。それらの削減分を全面的に復元し、憲法にうたわれている生存権保障にふさわしく充実させていくことが必要と考えます。
【自由民主党】
回答-③その他
(初回回答理由)
生活保護が、真に必要な人に行き渡るよう取組みを強化するとともに、制度に対する国民の信頼と安心を確保し、納税者の理解の得られる公正な制度にします。
生活困窮者の自立を促進するため、支援につながっていない生活困窮者を把握し、世帯全体への支援につなげる相談支援体制の整備を進めます。そのため、住まいに係る相談機能等の充実による居住支援の強化、就労準備支援事業・家計改善支援事業の全国的な実施の推進、こどもの学習・生活支援等に着実に取り組みます。
(2回目回答理由)
生活扶助基準については、一般低所得世帯の消費実態や社会経済情勢等を総合的に勘案し、令和8年10月から1年間、現在1,500円の特例加算を月額1人当たり2,500円に1,000円引き上げることとしたものと承知しています。
【れいわ新選組】
回答-②大幅な生活扶助基準の引き上げが必要である。
現在の物価高に対して1500円の加算ではとても追いつきません。当然生活扶助基準の大幅引き上げが必要です。
それと共に、そもそも憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」とは具体的にどういった暮らしなのか。社保審生活保護基準部会のように研究者だけではなく、当事者を交えた検討会を設置し、生活保護利用者の権利や当たり前の暮らしが守られる生活保護基準を創設する必要があると考えます。
【社会民主党】
回答-②大幅な生活扶助基準の引き上げが必要である。
社民党は、長引く物価高騰と賃金の伸び悩みのもとで、国民生活の立て直しを最重要課題として掲げています。消費税率ゼロによる物価高対策や、最低賃金の引き上げ、社会保障の拡充によって、暮らしを下支えする政策を打ち出しています。
こうした立場からすれば、低所得世帯の消費に占める割合がとりわけ高い食費や光熱費の急騰に対して、1人あたり1500円の特例加算にとどまる現在の対応は、物価上昇の実態に見合っているとは言えません。
生活保護制度は、「健康で文化的な最低限度の生活」を具体的に保障する制度であり、物価が上がれば、それに応じて生活扶助基準も引き上げられるべきものです。実質的な生活水準の切り下げを放置することは、制度の趣旨に反します。
そのため、特例加算のような一時的・限定的な措置ではなく、恒常的な基準の引き上げによって対応することこそが、受給者の生活の安定と尊厳を守る上で不可欠です。社民党は、利用しやすく、安心して暮らせる社会保障制度の実現のためにも、生活扶助基準そのものの大幅な引き上げが必要であると考えます。
【中道改革連合】
回答-③その他
生活保護の生活扶助基準については、健康で文化的な最低限度の生活を保障できるよう、物価高騰を含めた社会経済情勢等の動向を踏まえ、必要な対応を検討すべきです。