2025.11.6

10月28日(火)、東京・ニッショーホールでハイブリッド形式の「いのちのとりで裁判10.28大決起集会」が開かれました。
会場には800人、オンラインでは600拠点、あわせて1400人以上の参加がありました。また、国会議員、新聞など多くのメディアが駆け付け、会場は熱気にあふれました。
6月27日に画期的かつ歴史的な最高裁勝訴判決が言い渡されたにもかかわらず、4か月が経った今も厚生労働大臣など国からの謝罪がなく、原告・弁護団・支援する会などの当事者と実質的な協議も行われていません。
今回の集会は、こうした現状に抗議するために開かれましたが、全国各地から訴訟関係者が集まっただけでなく、国会議員、さまざまな団体の方々などから力強い連帯アピールがあり、10数年間の裁判で培われた運動の力を確認し合える機会となりました。
司会は、共同代表の雨宮処凛さんと稲葉剛さん。
開会の挨拶では、共同代表で全国生活と健康を守る会連合会の吉田松雄会長が、厚労省が最高裁判決後に立ち上げた専門委員会の議論のポイントを紹介し、「我々の大いなる奮闘が求められている」と呼びかけました。
最初に小久保哲郎弁護士が、基調報告を行いました。
最高裁判決後も、厚生労働省が当事者を軽視し続けている不誠実な対応を厳しく批判しました。厚労省は今後の対応を、一方的に決めた「専門家」の審議に委ねており、小久保弁護士は専門委員会での議論状況を紹介しました。
また、11月末の専門委員会のとりまとめや年末の予算編成を見据え、政治の動きを注視しながら、国の対応を監視し、声を上げ続ける必要があると強調しました。あわせて、全国的な署名活動や地方議会で被害回復を求める意見書を採択させる運動を提起しました。
政権が変わり、情勢は厳しいものの、「決して振り出しに戻ったわけではない。私たちは歴史的な最高裁判決を手に、確信をもって進もう」と呼びかけました。
■資料はこちら(PDF)

原告には改定前の状態を、原告以外も補償を
大阪の新垣敏夫さんは、「厚労省は原告に向き合わず、違法で異常な状態を4か月も続けています。この間にも亡くなる原告がいます」と訴え、早期解決を求めました。「原告にはゆがみ調整も含めて改定前の状態に戻してほしい。原告以外の保護利用者にも補償が必要です」と述べ、大阪市議会で被害回復の意見書が全会一致で採択されたことを紹介しました。物価高騰の中での生活を踏まえ、速やかな経済対策も求めました。
厚労省の動きを注視していかねば
愛知の澤村彰さんは、名古屋高裁での裁判を振り返り、生活扶助CPIの不合理さや厚労省の主張の矛盾を指摘しました。「厚労省は専門家の意見を本当に尊重する気があるのか疑わしい。引き続き注視していく必要がある」と述べました。
物価高の現在だからこそ、一刻も早い解決を
北海道の鳴海万樹子さんは、自身の生い立ちと生活保護を受けるまでの経緯を語り、「2013年から生活扶助費が減額され、お風呂の回数を減らし、食事も2食にするしかありません」と生活の厳しさを訴えました。「冬の灯油代は年々上がり、食費もこれ以上削れません。北海道でも原告がすでに38人亡くなっています。一刻も早い解決を望みます」と話しました。
名前や顔を出すのは、貧困は自己責任であるとの考え方への異議申し立て
富山の村山和弘さんはオンラインで参加し、「亡き妻の思いを引き継いで原告となり、全国の仲間とつながることで生きがいを感じています」と語りました。最高裁で勝ったら、謝罪と補償があるものだと思っていたが、国は専門委員会を口実に、生き残っている原告が死ぬのを待っているのではないかと思っていること、近年外国人を排除する動きがあるからこそ、在日の人もこの裁判を応援してくれていることを話しました。最後に「私が名前や顔を出して裁判に臨もうと思ったのは、貧困であることは自己責任であるとの社会のあり方に声を上げていこうと思ったからです」と語りました。

れいわ新選組の木村英子議員、立憲民主党の長妻昭議員・藤原規眞議員、日本共産党の小池晃議員・辰巳孝太郎議員・白川容子議員・山添拓議員、社会民主党のラサール石井議員にご登壇いただき、原告への謝罪と被害回復の実現をともに目指そうと力強く呼びかけました。
れいわ新選組・天畠大輔議員からは賛同メッセージが届きました。

日本弁護士連合会副会長の拝師徳彦様さん、日本司法書士会連合会常任理事の内田雅之さん、日本精神保健福祉士協会常任理事の洗成子さん、労働者福祉中央協議会事務局長の南部美智代さん、全日本民主医療機関連合会理事の石塚俊彦さん、NPO法人POSSE代表理事の岩本奈々さんが登壇。
最高裁判決後の行動や生活保護制度の改善に、連帯してとりくんでいくとお話しいただきました。
京都の原告や支援者が横幕やのぼりを掲げて登壇。原告である森絹子さんが集会アピールを読み上げ、最後に登壇者と声をあわせて「だまってへんで、これからも」と気勢をあげました。大きな拍手のなか、集会アピールは採択されました。
■集会アピール(PDF)

閉会の挨拶では、共同代表の藤井克徳さんが、集会を振り返り、「国は最高裁判決を『一部敗訴』とうそぶき、国民がそれを支持すると考えている」と指摘しました。
また、「専門委員会は国の“隠れみの委員会”になっている。司法を軽視する国の姿勢こそ問題だ」と批判し、「悪政は運動の帆を強くする。諦めない、つたえる、つながる、が大切だ」と締めくくりました。

集会の後、厚労省前に移動し、最高裁判決後も続く不誠実な対応を批判。謝罪と一刻も早い被害回復の実現を求めました。
福井県民主医療機関連合会
福島県民主医療機関連合会
一般社団法人福島ファルマプラン
岡山県民主医療機関連合会
医療法人財団健康文化会
全日本民主医療機関連合会
公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会
公益社団法人日本社会福祉士会
公益社団法人日本精神保健福祉士協会
一般財団法人東京保健会病体生理研究所社保平和委員会
青森県民主医療機関連合会
徳島県民主医療機関連合会
岩手県民主医療機関連合会
全国保険医団体連合会
沖縄県民主医療機関連合会
社会福祉法人共立福祉会
奈良県医療介護福祉労働組合連合会
奈良県精神科ソーシャルワーカー協会
一般社団法人愛知県精神保健福祉士協会
株式会社北海道保健企画
■違法状態を4カ月も続ける国に向け、「だまってへんで、これからも」いのちのとりで裁判大決起集会 | 生活ニュースコモンズ
■この国は「法治国家」か――生活保護違法引下げの最高裁判決から4ヵ月、いまだ謝罪や被害回復なく - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)
■生活保護減額「違法」判決から4カ月 「当事者を軽視」原告ら抗議:朝日新聞
■生活保護「カットは違法」が確定したのに…補償しない政府 「もう食べる量を減らすしか」当事者ら抗議の決起:東京新聞デジタル