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声明「歴史的な最高裁判決から1か月~基本合意による早期全面解決で、分断と対立をあおる社会から、すべての人が安心して暮らせる社会への転換を」を発出しました

2025.7.27

“声明「歴史的な最高裁判決から1か月~基本合意による早期全面解決で、分断と対立をあおる社会から、すべての人が安心して暮らせる社会への転換を」を発出しました|いのちのとりで裁判全国アクション

2025(令和7)年7月27日

「いのちのとりで裁判」・歴史的な最高裁判決から1か月
基本合意による早期全面解決で、分断と対立をあおる社会から、
すべての人が安心して暮らせる社会への転換を

いのちのとりで裁判全国アクション
生活保護引き下げにNO!全国争訟ネット(全国弁護団)

本年6月27日、最高裁判所第三小法廷(宇賀克也裁判長)が、厚生労働大臣による2013年からの史上最大の生活扶助基準引き下げの違法性を認め、処分の取消しを命じる歴史的な判決を言い渡してから、本日で1か月が経過しました。

私たちは、判決日以来、厚労省に対し、①全生活保護利用者に対する真摯な謝罪、②2013年改定前基準との差額保護費の遡及支給、③関連する諸制度への影響調査と被害回復、④検証委員会の設置や生活保障法の制定等による再発防止策の策定を求めてきました。

しかし、厚労省は、6月30日の協議の場で、謝罪はおろか、私たちが求めた課長以上の臨席も行わず、「適切に対応する」と繰り返す一方、7月1日、閣議後の大臣会見で私たちの頭越しに専門家の審議に委ねる方針を発表しました。私たちは、直ちに同月2日、当該方針の撤回を求める抗議声明を発しましたが、同月7日の協議の場で、担当者は従前どおりの対応を続ける一方、専門家の審議に委ねる方針は変わらないことだけ明言しました。さらに、厚労省は、10日に予定されていた協議日程についてはキャンセルを通告し、私たちが求めた15日、25日の協議にも応じず、ようやく8月1日に次回協議日を設定したものの、やはり課長以上の臨席はしないことを明らかにしています。

このように、謝罪さえ行わず、自らが一方的に決めた「専門家」の「審議」に委ねて、交渉すべき当事者である私たちとの実質的な話し合いを拒否し続ける厚労省の姿勢は、当事者を軽視、愚弄するものであって、余りにも不誠実です。10年以上にわたって違法状態が放置されてきたことが最高裁判決によって断罪されて1か月が経過してもなお、違法性に関する認識や、それを是正する姿勢さえ明らかにしないのは、司法軽視も甚だしく、法治国家の基盤を揺るがすものです。現在、10の訴訟が最高裁で、19の訴訟が各地の高裁で争われており、私たちとの合意がなければ、次々と違法判決が言い渡され続けるという、法治国家として恥ずべき事態となることは必至です。

そこで、私たちは、国に対して、改めて以下の諸事項を要請するとともに、一連の訴訟の早期全面解決を図るべく、「基本合意書」の締結に向けて、実質的な交渉を行うよう、強く要請します。


第1 被害の回復
1 すべての生活保護利用者に対する真摯な謝罪
2 2013年改定前基準との差額保護費の遡及支給
3 生活扶助基準と連動する諸制度への影響調査と被害回復

第2 再発防止
1 2013年改定に至る事実経過の調査と説明
2 生活保護基準改定方法の適正化
 ア 基準部会の検証を経ることをルール化
 イ 基準部会委員に当事者・弁護士・支援者を入れる
 ウ 違法な基準改定を裁判で擁護した基準部会委員を再任しない
 エ 新たな検証手法による生活扶助基準の大幅引上げ
 オ 夏季加算の創設など生活実態に合った保護費の支給

3 権利性の明確な「生活保障法」の制定


ところで、この裁判は、激しい生活保護バッシングの嵐が吹き荒れる中、1000人を超える生活保護利用者が原告として立ち上がり、少なからぬ原告が勇気をもって実名・顔出しで生活実態を訴えてきたものです。10年を超える厳しいたたかいで、既に232名の原告がいのちを落としており、一刻も早い解決が求められています。ようやく司法がその職責を果たし、明確な違法判断を下したにもかかわらず、当事者に向き合おうとさえせず、直ちに当事者との実質的な交渉に臨もうとしない国の司法軽視、無責任な対応に直面させられている原告らの落胆と憤りは察するに余りあります。

そもそも、原告らが、この勝てるかどうか分からない厳しい裁判に立ち上がったのは、決して自らの経済的利益のためではなく、この国の「ナショナル・ミニマム(生存権保障水準)」の理不尽な切り崩しに対して、国民・市民の代表として異議を申し立てるためです。だからこそ300人を超える弁護士と多くの支援者が、手弁当でこれを支えてきたのです。私たちには、10年を超えるたたかいで歴史的な最高裁判決を勝ちとった強固なネットワークが全国各地にあります。

「いのちのとりで裁判」の全面解決は、この国が、生活保護バッシングで市民の分断と対立をあおる社会ではなく、すべての人が安心して人間らしい生活をおくることができる社会に転換する契機となるものです。私たちは、国が姿勢を正すまで、改めて粘り強く全国一丸となって取組みを強める決意であることを宣言します。


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