2022.11.29
11月19日(土)午後1時30分から「優生保護法訴訟と生活保護基準引下げ訴訟の原告団・弁護団による共同シンポジウム」が開かれました。
基調報告は、藤原精吾弁護士(兵庫)の「優生保護法訴訟と生活保護基準引下げ訴訟の意義と課題」。
両訴訟が何と闘っているのか、裁判官は何によって結論を決めるのか、「闘いは法廷の外」の意味、今後どのような闘いが必要なのかについて講演。
なお、壇上に飾られた鉢植えの花は、優生保護法訴訟原告の北三郎さん(活動名)が紙で心を込めて手作りしたものです。
また、基調講演は、小山剛慶應義塾大学教授の「『人としての尊厳』と憲法訴訟」。
朝日訴訟の意義、司法による統制の限界と可能性、旧優生保護法によって何が侵害されたのか、除斥期間の壁をどう克服するべきかについて、緻密な法理論と「人としての尊厳」に基づく憲法解釈、個別法の解釈と運用が求められていることを話されました。
その後、新里宏ニ弁護士(仙台)がコーディネーターとなり、パネルディスカッションが行われました。
生活保護基準引下げ訴訟の関係からは、原告の森絹子さん(京都)、千代盛学さん(名古屋)、阿部広美弁護士(熊本)、小久保哲郎弁護士(大阪)、優生保護法訴訟からは、原告の東二郎さん(仙台からオンライン参加)、北三郎さん(東京)、辻川圭乃弁護士(大阪)、関哉直人弁護士(東京)がそれぞれの思いを訴えました。
「人生を返して欲しい」との訴えが東京高裁の逆転勝訴で認められた際の北さんの涙。原告の思いを支えて除斥期間などあり得ないとの主張を理論化した弁護団。
生活保護を利用することは恥ではない、堂々と利用できる国にしたいと言われる森さん、生活できない基準の引下げがあれば闘うのは当然と言われる千代盛さん。緻密な理論構成と当事者の生活実態の立証に全力を傾注する阿部弁護士、小久保弁護士。
そして、最後に両原告団・弁護団の共同アピールを司会の吉田雄大弁護士(京都)が読み上げ、まとめと行動提起は、竹下義樹弁護士(京都)。
■旧優生保護法訴訟及び生活保護基準引き下げ訴訟に関する共同アピール(PDF)
当事者が主人公になり、運動を引っ張り、事件の垣根を越えた連帯が広まれば、勝利の展望は大きく開けるとの確信が得られたシンポジウムでした。
■当日のようす(録画)は、以下のリンクからご覧いただけます。
https://youtu.be/hBeOVa08gKQ
■当日の資料は、以下のリンクからダウンロードできます。
https://drive.google.com/drive/folders/170kwRkCNGMREwz3iu-URq85mrTuuVxuA?usp=sharing