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不安で眠れなくなり睡眠薬|当事者の声

川森れい(青森訴訟原告)

収入も住むところもなくなり

私は、昭和14年生まれで、今年78才になりました。

私は、むつ市の関根で生まれました。中学を卒業後、出稼ぎで大湊に行き、飲み屋で住み込みで働きました。

 

18才で結婚し、20才のときに生まれた娘がいます。他に男の子も生まれましたが、生まれてすぐ亡くなってしまいました。結婚生活は8年くらい続きましたが、離婚しました。娘は跡取りとして夫に引き取られたので、私は一人で生活するようになりました。

仕事は、温泉旅館の仲居をして、神奈川や東京でも働いたことがあります。10年くらい前に娘が住んでいた近くの十和田に帰ってきて、温泉旅館で働くようになりました。

しかし、8年くらい前に私が住み込みで働いていた温泉旅館が建て替えることになり、休館になったため、私は収入も住むところもない状態になってしまいました。そのため、生活保護を受けるようになったのです。

冠婚葬祭の費用が足りない

今の生活は、当たり前のことができない、と感じることがあります。たとえば、冠婚葬祭に行くための費用が足りません。

おととし、兄が亡くなったのですが、このとき顔だけでも見たいと思い、むつまで行きました。その往復の交通費約1万円を出すために、おかずは納豆だけという生活を半月ほど続けました。

また、壊れた冷蔵庫やテレビがあるのですが、ゴミとして処分するのにも費用がかかるというので、処分できないままになっています。

他にも、おととしまで、以前働いた温泉旅館に頼まれて、繁忙期に仕事を手伝うことは続けていました。もちろん収入は役所に届け出ています。その仕事をやめてから急に20キロくらい体重が増えてしまいました。そのため着られなくなった服も出てきたので、衣服を買わなければならなくなりました。そのため余裕がなくなり、食べるものや風呂の回数を以前より少なくするようになりました。

なぜこれほど苦労しなければならないのか

前に老齢加算が廃止されたときに、生存権侵害だと主張して裁判をした原告の中に私の友人がいて、応援していました。しかし、その裁判は負けてしまいました。それどころか、さらに生活保護費は少しずつ減らされました。冬期加算も減額され、ますます生活は厳しくなっています。

生活保護の減額が最近続いていることを考えると、このまま生きていてもどうなるんだろう、というような気持ちになり、とても不安になります。生活保護基準が下げられてから、夜眠れなくなり、睡眠薬を飲むようになりました。

私たちが、なぜこれほど苦労しなければならないのか、納得できません。

私は、今年の8月に肝臓ガンにかかっていることが分かり、手術を受けましたが、治りませんでした。医者に、今年いっぱい生きられるか、と聞いたら、分からないと言われました。このような状態ですが、この裁判は頑張りたいと思っています。

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