A.K.(大阪訴訟第5回期日意見陳述要旨)
私は1944年7月貝塚市で生まれ、現在71歳です。中学卒業後、毛布の図案を描く仕事や機織り、病院の看護助手、ミシンの営業などをして2人の娘を育てました。
2000年頃カラオケ喫茶を開業しましたが、心臓の手術のため休業せざるを得なくなり、赤字続きになりました。
2013年、年金を担保に生活を立て直そうとした矢先、突然股関節に激しい痛みを感じ歩けなくなりました。肝炎の治療に使っていたステロイド剤の副作用で股関節が壊死してしまったのです。人工関節を入れるしかありませんでした。
股関節の激しい痛みで歩くことも働くこともできず、2013年12月生活保護を申請し、翌年1月股関節の手術をし、その後自己破産をしました。
これまで節約に努めてきましたが、保護費が減額されてから生活はますます厳しくなりました。医師から「バランスのとれた食事をするように」と言われても、作り置きした同じ惣菜を何日も食べざるを得ず、バランスのとれた食事をとることはできません。
双子の孫から絵本やおもちゃがほしいと言われても買ってあげることができません。さらに、人付き合いをあきらめることも多くなったことは一番辛いことです。
人が生きていくためには栄養のある食事や、友人や家族と交流することが必要です。自分より厳しい環境で生活している人がいるからといって、自分の生活水準を下げていたら、みんなの生活がますます悪くなるばかりです。私はみんなの生活を守りたいと思って、原告になることを決めました。
私は生活保護にはとても感謝しています。しかし、粗末な食事しかできなかったり、1人ぼっちで過ごしているだけでは、単に「生かされているだけ」みたいでやるせない気持ちになります。
私は裁判を通じて生活保護を受けている人が卑屈になるのではなく、心にゆとりのある暮らしを送れるようにと願っています。裁判官には、心ある判断をしてくださるようお願いします。