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2月22日、津地裁で全国16例目の原告勝訴判決が言い渡されました!「自民党の選挙公約に忖度」と断罪(判決全文・弁護団声明を掲載しています)

2024.2.23

2月22日、津地裁で全国16例目の原告勝訴判決が言い渡されました!「自民党の選挙公約に忖度」と断罪(判決全文・弁護団声明を掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

2024年2月22日、津地方裁判所民事部(竹内浩史裁判長)は、桑名市・四日市市・津市・松阪市在住の生活保護利用者(提訴時27名)が桑名市・四日市市・津市・松阪市を被告として提起した裁判で、保護費の減額処分の取消しを命じる原告勝訴判決を言い渡しました。

今日までに言い渡された28の判決(うち2つは高裁判決)のうち、2021年2月22日の大阪地裁判決2022年5月25日の熊本地裁判決同年6月24日の東京地裁判決同年10月19日の横浜地裁判決2023年2月10日の宮崎地裁判決同年3月24日の青森地裁判決、和歌山地裁判決同年3月29日のさいたま地裁判決同年4月11日の奈良地裁判決同年5月26日の千葉地裁判決同年5月30日の静岡地裁判決同年10月2日の広島地裁判決、そして同年11月30日の名古屋高裁判決今年1月15日の鹿児島地裁判決同年1月24日の富山地裁判決に次ぐ、地裁では15例目、高裁を含むと16例目の勝訴判決となります。

昨年11月30日の名古屋高裁での勝訴の後、那覇地裁では敗訴したものの、鹿児島地裁、富山地裁、津地裁と連続しての原告勝訴判決となりました。これで地裁では、15勝11敗。一昨年5月の熊本地裁判決からは高裁も含めて14勝4敗と、厚生労働大臣の処分の違法性を認める流れには揺るぎがありません。

2月22日、津地裁で全国16例目の原告勝訴判決が言い渡されました!「自民党の選挙公約に忖度」と断罪(判決全文・弁護団声明を掲載しています)|いのちのとりで裁判全国アクション

本判決は、厚生労働大臣が引き下げの根拠となったデフレ調整について、①基準部会をはじめとする専門家の意見を無視ないし著しく軽視しており、判断の過程に過誤または欠落があることが強く疑われるとし、②生活扶助CPIについても総務省の統計を不適切に利用・改変したばかりか、厚生労働省自身が統計を取っていた社会保障生計調査の結果さえも恣意的に度外視したという批判を免れないとし、③物価変変動の起算点を物価が一時的に上昇した平成20年度とすべき合理的な理由はなく、生活扶助基準の引き下げの幅を大きく算出する方向で、総務省の統計を部分的に切り取って利用し、恣意的な起算点の選択をしたとみられてもやむを得ないものであるとしています。

さらに、本判決は、厚生労働省が生活保護費10%削減という自民党の「選挙公約に忖度」したことを一連の裁判で初めて真正面から認定しました。

そのうえで、「専門的知見に基づく検討が極めて不十分であったにもかかわらず、極めて拙速に本件改定に及んだのは、上記選挙公約の下で『生活保護バッシング』に現れたような国民の不公平感・不信感が醸成されていたことを背景に、たとえ専門的知見に反してでも、反対意見を排除して早急に生活扶助基準を引き下げるという政治的方針を実現しようとしたものとみるほかない」と「専門的知見を度外視した政治的判断」を厳しく指摘し、「考慮すべき事項ではない事項を考慮したもの」として、厚生労働大臣に裁量権の逸脱または濫用があるとしました。

判決後に開いた報告集会で、弁護団長の石坂俊雄弁護士は、「ほとんど我々弁護団が主張してきた内容に沿った判決で意味ある判決を得た」と述べました。

原告の津市の70代の男性は「8年ぐらい前から生活は本当に苦しかった。ようやく判決を聞けて良かった」と話していました。

また、松阪市の女性(70代)も「生活は苦しかった。なぜ苦しまなければいけないのかと思っていたが、きょうの判決でほっとした」と話していました。

いよいよ残る地裁判決は4地裁、高裁判決も続々と予定されています。大阪訴訟、愛知訴訟は最高裁でのたたかいになっています。引き続き、皆さまのご注目とご支援をお願いいたします。


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