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生活保護は命のセーフティネット|当事者の声

仲村義男(大阪訴訟第4回期日意見陳述要旨)

自暴自棄になった経験

私は1946年5月、4人兄弟の長男として大阪市大正区で生まれました。木工所を営んでいた父が病気になり、私が家業を継ぎました。

28歳で結婚した頃、木工所の経営は順調で工場を3倍くらいに広げました。しかし、仕事に没頭し過ぎて家庭を大事にできなかったのか、妻から離婚したいと告げられました。離婚は私にとってものすごくつらい出来事でした。

心の支えを失った私は自暴自棄になって仕事に身が入らなくなり、バブル崩壊の不況も相まって借金の返済ができなくなり木工所を廃業せざるを得ませんでした。

その後、借金返済のために働く生活が約10年続き、さらにトラックの運転手をしたり、派遣会社で仕事をしましたが、派遣会社もクビになり、仕事も見つからず、お金も底をつきました。

家族や仕事を失った絶望感から人生に嫌気がさし、私は自殺を決意しナイフを自分の胸に突き刺しました。15センチほど貫通したナイフは肺や心臓の間をすり抜けたため臓器に傷がつかず、奇跡的に私は助かりました。

生活保護に本当に助けられている

退院後、生活保護を受けることになりましたが、一命を取り留めた私は、まだ自分は死ぬべきではないと神様が言っているような気がして、これからは自分のためでなく人の役に立てるような生き方をしようと思っています。

命のセーフティネットである生活保護に私は本当に助けられています。裁判官には、私たちが日々切り詰めて生活していることを十分にご理解頂き、判決を下して頂きたいと思います。

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