2026.7.2

昨年6月の最高裁判決を受けた保護費の「追加給付」が各地で始まるのを受け、本年5月14日(10時~18時)、全国一斉ホットラインを実施しました。全国18会場の30回線で対応し、385件の相談が寄せられました。
追加給付受領済みの方は5人だけで、「いつ支給されるのか」、「自分は対象になるのか」という相談が多数を占めました。全額補償を求める声(107件)、手続きの分かりにくさを訴える声(57件)、広報が不十分という声(42件)も多数寄せられました。
詳しくは、下記の集計報告をご覧ください。
最高裁判決後も補償を受けらないまま亡くなる原告が相次いでいます。
全国弁護団が改めて調査したところ、最大時1022名の原告のうち、昨年の最高裁判決までに亡くなった人が278名と4分の1以上(27.2%)に及ぶことが分かりました(2026年6月24日時点)。
そのうち25名は昨年の最高裁判決後に亡くなっており、2名は自分の地域(いずれも三重)の判決確定後に亡くなっています。
国は、死亡当事者に対する補償は行わない方針のため、訴訟の長期化と対応策の遅れのため被害補償の機会が奪われるという理不尽な事態を招いています。
詳しくは、下記の一覧表をご覧ください。
私たちは、こうした取組みをふまえて、6月24日、厚生労働省に対する要請行動を行い、1時間程度意見交換を行いました。

私たちが要求したのは以下の4点です。
1.特に保護廃止された世帯への周知を徹底するため、特設ホームページによる案内にとどまらず、テレビ・ラジオ・新聞・SNS動画などのメディアや、当事者と接する福祉事業者を通じるなどの方法による、徹底した広報を行われたい。
2.保護廃止された世帯の申出手続を簡素化し、申出書や必要書類の作成・収集援助の仕組みをつくるとともに、戸籍謄本等の取り寄せ費用を無償化されたい。
3.「保護追加給付決定通知書」の標準書式の利用を徹底し、少なくとも既存のシステムの決定通知書式を用いる場合には、標準書式の2枚目の内訳書を添付するなどの方法で「追加給付」であることが理解できるようにされたい。
4.虐待やDV等で出身世帯を離脱した者については、出身世帯の世帯主に対する給付は行わず、例外的に個人単位での追加給付を行う取り扱いとされたい。
詳細は要求書をご覧ください。
対応した厚生労働省の官僚は、1については、時期が8月以降にずれ込む可能性を示唆しつつも、現在プロの広告業者とも効果的な広報の方法について検討しているとして前向きな姿勢を示しました(但し、テレビCMについては否定的な感触でした)。
一方、2から4については、「対応を検討する」とは言いつつも、全体として消極的な姿勢を示していました。
しかし、2については、国の違法行為の被害者側に費用などの負担を背負わせ、各種のハードルをもうけること自体が道理に反しています。
3については、既存システムの書式を用いるときには、説明文書や別添内訳書を添付するよう、国から自治体に対し、実際の実践例も示したうえで要請すべきです。
4については、DV等で世帯を離脱した人の分も元の世帯主へ給付するというのでは、被害者の補償の道がふさがれていまいます。世帯員死亡の場合は生存者のみへの給付を行うこととしていることからしても、コロナ禍時代の特別定額給付金のときと同様に世帯離脱者への給付を行うことが可能なはずです。
私たちは、被害者に対する補償が漏れなくなされるよう、引き続き監視と要請を行っていきます。

要求行動終了後、弁護士会館において、記者会見を行いました。多くの報道関係者が参加し、熱心に質問も出て、各種の報道にもつながりました。
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