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もはや努力の限界を越えた|当事者の声

富山県・原告(意見陳述要約)

1型糖尿病で働くこともできず

私は現在66歳で、大学を卒業後は会計事務や塾講師などの仕事をしていましたが、42歳の時に重い1型糖尿病を発症してしまいました。

この1型糖尿病というのは、インスリンが分泌されず、突然意識を失って昏倒したりするもので、私自身も、仕事の最中に突然昏倒したりすることがあったため、40代の後半ごろからは働くこともできていません。

 

最近は腰椎の神経圧迫で、10分以上立ったり歩いたりすると膝から下が痛くてたまらない状態になって、歩けなくなります。

家電買い換えもままならない

私は夫と2人暮らしですが、家賃などの固定費を除き,2人分で月に使える生活費は約10万円。当然、貯えなど全くありませんので、毎月月末になると、手持ち現金の残額を見て「保護費が下りるまでどうやって暮らそうか…」と不安な気持ちになります。衣服は、基本的には友人からのもらい物でやり過ごしています。髪を切るのは、1,000円カットで2か月に一度も行けません。

それと、2週間程前に洗濯機の脱水かごが回らなくなり壊れました。これ自体10年以上前にリサイクルショップで買った中古品です。仕方なくまたリサイクルショップに見に行きましたが、壊れた洗濯機の引取りも含めると2万数千円かかるとのことで諦めました。今は洗濯物は手で絞って干しています。こうした家電製品の買い替えのために保護費を貯めておくことなど到底できません。

葬儀も行かないことに

今回の保護費の減額は、努力の限界を超えていると感じます。

腰椎の神経圧迫のため10分以上歩くと辛くてたまらないので、生協で注文して宅配をお願いしたいのですが、生協は近所の八百屋さんより少し値段が高いので、保護費が引下げられてからは生協ではほとんど注文できません。

また、これまでは冠婚葬祭、特にお葬式に備えて月々の保護費から毎月500円ぐらい貯めておいて、不幸があったときは香典として5,000円ほど包んでいたのですが、保護費が引下げられてからはこれもできなくなりました。どんなに親しい人のお葬式であっても、香典が出せませんので、どれほど失礼だと思われても行かないことにしました。

冬の間は家にいるときでも服を着込んで、暖かい格好をして、とにかく暖房代を使わないで済むようにしています。

もはや努力の限界を超えています。生活を切り詰めるのにも疲れてしまいました。これ以上、弱い者いじめをするようなことはしないでください。憲法は弱い者の味方だと聞いています。裁判所には憲法に基づいたご判断をお願いします。

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