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受給できず自殺も考えた|当事者の声

鶴田カツエ(大阪訴訟第8回期日意見陳述要旨)

相談しても相手にしてもらえず

私は昭和10年8月、長崎県南島原市で7人兄妹の4番目として生まれました。中学卒業後24歳のときに結婚し3人の子どもに恵まれました。大阪に出稼ぎに行った夫が安定した仕事を見つけてきたので昭和38年ころ、大阪に引っ越しました。

夫の会社で社長の使い込みが発覚し会社は倒産し夫は失職しました。以来、夫は人間不信になり、お酒に溺れ、借金してでもお酒を飲むようになり、亡くなるまで入退院を繰り返していました。

夫の借金や医療費の支払いのため、私は清掃などの仕事につき息子も家計を助けてくれました。しかし、息子がうつ病になって仕事ができなくなり、私もケガで退職することになりました。

収入は年金の月約8万円です。家賃の5万円をひくと残りは約3万円です。そこから水道光熱費や食費、医療費をだすととても生活をしていくことはできません。

私は6回も堺市南区役所に行き生活保護を受給したいと相談しましたが、「娘がいるから申請できない」「親戚に頼んでからでないと申請できない」と全く相手にしてもらえませんでした。

私たちは精神的に追い詰められ、自殺を考えるようになりました。自殺を決意した日、私たちは家財道具をのこぎりでバラバラにして全て捨て、部屋もきれいに掃除しました。私は死ぬ前にお参りしなければならないと思い神社に向かいました。その途中、「なんでも相談」というのぼりを立てた市民団体の事務所を見かけたのです。

私は思わず事務所に駆け込みました。そこで出会った方々に助けられ、私は平成23年6月、ようやく生活保護を受給できることになりました。

引き下げで追い詰められ不安でいっぱい

私は節約につとめていますが、今回の引き下げにより、さらに切り詰めなければならなくなりました。1時間以上歩いて安いスーパーを探し、時には自宅の裏山の山菜を採って食事に充てるようにしています。

築40年以上の公団住宅は冬はとても冷え込みますが、引き下げ後は一切暖房を使わず部屋で毛布と布団をかぶって過ごしています。入浴も夏場は2日に1度のシャワー、冬は湯船に浸かるのは3日に1度になりました。

今回の引き下げにより生活は追い詰められ不安でいっぱいです。私は高血圧の薬を服用しています。お医者様からは、健康のために野菜をたくさんとるように言われていますが、野菜は高くなかなか買うことができません。

裁判官には、このような生活保護受給者の現状を知っていただいた上で、公正な判断をしてもらいたいです。

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