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Q26 性能の向上に無縁な人も多いのではないでしょうか?

その質問は鋭いです。その回答の前に、品質調整を強く実施するほどパーシェ方式で計算したときの影響が強く出ることを指摘しておきます。

再びQ.25のデジタル家電のモデルで考えてみます。「現実には基準時点、比較時点ともデジタル家電を単価1万円で1台買った」という想定。今回は品質調整による価格指数の下落パターンを▽2割下落▽5割下落▽8割下落、の3通り想定しました。

品質調整した後の仮想現実の世界では、基準時点と比較時点の1台当たりの購入価格と購入台数がパターンごとに別の数字になります。

価格指数が2割下落のときは単価が1万円→8,000円、台数が1台→1.25台、5割下落のときは単価が1万円→5,000円、台数が1台→2台、8割下落のときは単価が1万円→2,000円、台数が1台→5台、という具合。

品質調整を強く実施して価格指数を大きく下げるほど購入台数が増えることが分かります。

デジタル家電代金のラスパイレス方式とパーシェ方式での計算結果も、パターンごとに大きく変わります。次のグラフを見れば一目瞭然です。

いのちのとりで裁判全国アクション

基準時点~比較時点の代金減少額に注目してください。一番左の2割下落のときは両方式の差は大きくありません。

ところが、一番右の8割下落のときは、代金減少額はラスパイレス方式では8,000円、パーシェ方式では4万円と大差。品質調整で価格指数を大きく下げるほど購入数量が大きく増えたとみなされるので、数量が増えた比較時点の数量で計算するパーシェ方式では、価格指数激落と数量激増というダブルの影響が生じるのです。

ここで、質問の「パソコンの性能向上に無縁な人が多いのでは」という問題を考えてみます。ハードディスクの記憶容量などの性能が向上したことを受けて「価格指数を下げて購入数量が増えたとみなす」品質調整が強く実施されていました。

実際に価格が下がって購入数量が増える場合は、誰でもそのありがたみを感じます。ところが、パソコンの性能向上については、ありがたみを感じない人が多いのです。パソコンを使っている人でも、メールのやりとりやホームページ閲覧といった単純な使い方だけだと、性能向上によるプラスはほとんどありません。

こうした人にとっては価格指数激落・数量激増をもたらした性能向上は「架空」のものと言えます。生活保護利用者にはこうしたタイプの人が多いとみられます。

架空の要因の影響が強く出るのが、厚労省の生活扶助相当CPIの計算です。

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