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Q16 通常の方式で計算してみるとどうなりますか?

厚労省の生活扶助相当CPIの計算は、2008年~2010年は独自の方式であり、実質的にはパーシェ方式と同じです。厚労省は268項目で計算しているので、同じ268項目の計算を通常のラスパイレス方式でやってみました。概略の計算表は以下の通りです。

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総務省統計局のいつものラスパイレス方式だと、2008年や2010年の生活扶助相当CPIは、2005年を基準年、2008年や2010年を比較年にして計算します。計算で使う支出額割合(ウエイト)は、基準年である2005年の家計調査にもとづいて作られた2005年基準ウエイト。各項目の価格指数は、2005年=100の2005年基準の数字です。

各項目の代金は2008年が「2005年基準ウエイト×2008年の2005年基準価格指数」、2010年は「2005年基準ウエイト×2010年の2005年基準価格指数」と計算します。計算結果はこの表では、G列やH列に出ます。

結局、買い物かごの合計代金は、2005年637900、2008年649046.9、2010年637544.6となります。2005年=100の生活扶助相当CPIは、各年の買い物かご合計代金を637900で割って100を掛ければ出ます。2005年100→2008年101.75→2010年99.94という推移です。

厚労省は、2010年~2011年は通常のラスパイレス方式で計算して、生活扶助相当CPIを2010年100、2011年99.48と出しました。2008年~2010年を通常のラスパイレス方式で計算した場合は、生活扶助相当CPIは2005年=100の2005年基準で出てきます。

2008年の生活扶助相当CPIは、2005年=100の2005年基準で101.75。2011年の生活扶助相当CPIは、2010年=100の2010年基準で99.48。指数の基準年が違うので、101.75と99.48は直接比べられません。そこで、接続という手法を使います。

2005年基準では、2008年101.75→2010年99.94という推移。この変化率を維持したまま、2010年を100にできれば、2010年基準の数字になります。それには、101.75と99.94の両方に「100/99.94」を掛ければOK。2010年基準では2008年101.81→2010年100です。

四捨五入した数字だと、2010年基準では2008年101.8→2010年100→2011年99.5。3年間の下落率は2.26%です。

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